就活で落ちた出版社の編集長に「自分が落ちた理由」を聞いてみた



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ひょんなことから、さる出版社の新卒採用試験を受けることになったフリーライターである私。実務経験で学歴エリートたちをアッと言わせられるとも思ったが、結果は不採用。後日、その出版社の編集長と会うことになったので「自分が落ちた理由」を聞いてみた。

・筆記試験が最低得点だった

思うに私が不採用になった理由は面接どうこうではなく、あまりにもデキが悪すぎた筆記試験である。試験は30点満点でおおむね20点が平均だったそうだ。

さらには満点というクイズ研究会みたいな人もいる中、私の得点はなんと9点。正直、9点も取れたんだと思ってしまったあたり、落ちて当然である。

「いやー、お前筆記試験があまりにもできなさ過ぎだよ。たしか受験者の中で最低得点だったと思うよ。こういうテストって個人の能力には一見関係ないように思えるんだけど、結構比例しているんだよね」

たしかに私もそう思う。筆記試験ができなくても仕事ができる人間はいくらでもいるかもしれないが、満点の人間より自分がデキる人間だとは到底思えない。

筆記試験が終わった日の夜、ゴロ寝してテレビを見ていると『長州力』が武将の格好をして叫んでいるドラマのCMが流れていた。これって筆記試験に出た『西郷どん』じゃないか。「主役に抜擢された俳優は誰?」って問題、答えは長州力だったのか~。

「バカ、主役は鈴木亮平だよ。長州力は脇役だろ」

と編集長。たしかに大河ドラマの主役が長州力なわけ……。返す言葉がない。

・面接官いわく「アイツ、余裕そうだった」

さて、筆記試験で最低得点をたたき出した私であったが、テストを回収しにきた面接官は「アイツ、余裕そうな表情をしていたっす」と言っていたらしい。開始8分くらいでもうお手上げで、解答用紙をペラペラしている姿を見られてしまったのであろう。

編集部員たちの笑いのネタにまでなってしまい、もう散々である。しかも、面接官の1人である女子社員はなんでも私と同い年だそう。




バリバリと働いている、本来なら同期であった女の子に「将来どんな仕事がしたいか」を赤裸々に語った挙句不採用では、もう恥ずかしくて編集部になど行けたもんじゃない。あーあ。

「私は自分のマイナスな部分を受け入れ、その上で深く噛み砕くことで短所を長所に替えていくことができます」

なんて言わなきゃよかったなあ。

・ほかにも自分みたいな人がいた

わずかながらではあるが、ライターとしての実務経験(学生時代も含めると2年ちょい)がある私。ライバルが慶応だろうが早稲田だろうが互角に渡り合えるくらいに思っていたのだが、そもそもそういう問題ではなかった。

編集長は、「今回はレベルが高すぎて、筆記試験ができていても君は落ちていた」って言っていたし。

私の他にも第二新卒の人間がおり、さらに私なんかとは比べ物にならないくらいのキャリアの持ち主だったのだ。その人は誰もが知っているような大手出版社からの転職希望者。もちろん筆記試験もできるし、社会人スキルも抜群だし、なにより編集者としてのスキルがある。

そりゃ採用するよ! といったような人物である。きっとその人は今後も着実にキャリアアップを図っていくんだろうな。ついには自分の出版社なんか立ち上げちゃったりして……。

しかし元々やりたかった仕事は編集ではなく書き手であるわけだし、それを再確認できて良かった(そう自分に言い聞かせている)。もちろんピンキリで、中には評価される人もいると思うが、フリーライターなんていう職歴はきっとエリート学生に比べたらこれっぽっちも価値がなかったのかもしれない。

Report : 國友公司
Photo : Rocketnews24.


Source: ロケットニュース24






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