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みなさんは歌手の大黒摩季さんにどんなイメージをお持ちだろうか? 「ら・ら・ら」「熱くなれ」「永遠の夢に向かって」などのヒット曲を連発した、90年代音楽を語る上では欠かすことのできない大物女性歌手である。
おそらく大黒摩季さんの曲をフワッとしか聴いていない人は「爽快感のある曲が多い」「パワフルな歌声」「ハイトーンボイス」くらいのイメージしかないだろうが、個人的に大黒摩季さんの真骨頂は『女性の執念を赤裸々につづった歌詞』にあるのではないかと思うのだ。
・「夏が来る」と「あなただけ見つめてる」
数あるヒット曲の中でも「夏が来る」と「あなただけ見つめてる」は、記憶にも記録にも残る文句なしのヒットナンバーである。「あなただけ見つめてる」はスラムダンクのエンディングテーマに起用されていたし、「夏が来る」もカラオケでは “定番の盛り上がり曲” と言っていいだろう。
だがしかし……この2曲の歌詞はマジですさまじい。赤裸々を通り越して、もはや おどろおどろしい。歌詞を詳しく説明しすぎると某団体に怒られてしまう可能性があるので割愛するが「あなただけ見つめてる」は “あなた” だけを見つめすぎて、結果的に誰もいなくなってしまうブラックユーモア的な歌である。
そして今回ご紹介したいのは「夏が来る」のほう。この曲は適齢期の女性が「夏 = 彼」を求めて自分磨きをしても、結局は若い女が選ばれるのかよ! ……といった、婚活中の女性には刺さりまくる歌詞となっている。
・ドライブ中に「夏が来る」が流れてきた
あれは数年前のこと。当時仲間うちでは唯一結婚していない、彼氏もいない女友達・Aちゃんとドライブしていたときのことだ。その日は何人かが車に乗っていたのだが、運転は記者、助手席にはAちゃんが座っていた。みんなで楽しくドライブしている最中に「夏が来る」は流れてきた。
最初は「大黒摩季の歌詞が刺さるわ~」「痛いわ~」などと明るく振る舞っていたAちゃん。だが1番のサビが終わる頃にはすっかり黙り込んでしまっていた。そして2番のサビ前、スピーカーからこんな歌詞が聞こえてきたとき……Aちゃんの中で何かが弾けたのだ。
「 “愛してる” なんて本気でHしたら その日から都合のいい娼婦(おんな)扱い 真面目なだけなのに」
その瞬間、Aちゃんはフロントガラスが震えるほどの大声で、
「真面目なだけなのにィィィイイイイイイイイイイイ!!!!!!!」
……と叫び、誰に言うでもなく一気にこう吐き出した。
「そう! こっちは真面目なだけなんだよ!! 性欲を満たしたいからやるわけじゃないんだよ! ああ、この人となら将来があるかもな……って思ってるからするわけ!! なのに男は1回やったら “やれる女” だと思うでしょ!? なんなの!!??
しかも、こっちがしないならしないで “30すぎてカマトトぶってんじゃねーよ” とか思われるし! もう八方ふさがり!! 本当にこの年齢の女で遊ぶのはやめて欲しい! 真面目なだけなんだからァァァアアアアア!!」
・婚活女子に刺さりまくる歌詞
あまりにも突然のことで背中がビクッとするほど驚いてしまったが、この叫びは「婚活中の女性の執念」を知るイイきっかけとなった。男性が思っている以上に婚活の話題はセンシティブだし、大黒摩季さんの曲は突き刺さる。特に「夏が来る」の威力は絶大だ。
とにかく「夏が来る」も「あなただけ見つめてる」もキレキレの歌詞なので、知らなかったという人はぜひ一度じっくりと曲を聞いていただきたい。文句なしの名曲である。
執筆:P.K.サンジュン
イラスト:稲葉翔子
Photo:RocketNews24.
Source: ロケットニュース24
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