【注意】何も知らない若者に「1991年のメガドライブとセガのスゴさ」を熱っぽく語るとドン引かれる



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「昔はゲームで遊んでいたのに、最近は全然」と言う人は数多い。あんだけ昔はゲーマーだったのに、最新のゲーム機を見るや “なんか設定とか難しそう” とか思っちゃう。かくいう私も、そのひとりだ。だがしかし……!!

たま〜に、むしょ〜に、やりたくなる。人生で一番遊んだゲーム機を、もう一度さわりたくなったりする。中古相場を調べると、数千円で購入可。久しぶりに遊んだら、どんな気持ちになるんだろう……。ということで、セガのメガドライブを買ってみた!!

・ガッツリ厳選しての大人買い

もちろん本体と同時に、ソフトも中古でバンバン揃えた。だが、昔みたいに「あれもほしいこれもほしい」ではなく、長年の経験に基づいた “本当に揃えるべきソフト” を厳選していたのも、我ながら興味深い。絶対にハズせないゲームがそこにはある。

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なお、行き過ぎたプレミア価格がついているソフトは断腸の思いであきらめた……が、メガドライブはアーケードゲームの移植作品や、アクションモノが多いので、やたらガチャガチャ鳴るセガ純正のメガドラ専用スティックは買い揃えた。

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・君はメガドライブを知っているのか

メガドラ一式をルンルン気分で会社の会議室に持って行き、超大画面のテレビで「さぁ〜て!!」とプレイしようとしたその時……部下のじゅん君(31)が、物珍しいのか覗きに来た。さらに「わぁ〜、メガドライブだぁ! なつかしい〜」とか言っている!!

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知ってるのか!! 私(37)より6つも年下なのに、メガドラを知っているのかッ! おぬし……もしやメガドライバー? なぜか他社のハードに異常な敵対心を燃やしつつ、全身全霊でセガを応援し続けた孤高のメガドライバーかと申すのかッ!? 同志かッ!!

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──と思ったら、そうではなかった。じゅん君いわく、「友達の家にあって、たまにやらせてもらった」とのこと。しかし、メガドラ自体に興味は持っていると見た。チャンス。ちょうどよい機会なので、メガドラのなんたるかを教えてあげることにした。

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・さびしきメガドライバー

ちなみに、あくまで私の経験に基づく独断と偏見に満ちた仮説であるが、猛烈にセガとメガドライブを愛する純度160%なメガドライバーたちは、過去に絶対、68000%の確率で「まわりにメガドラ友達がいなくて寂しい思いをした経験」を持っているはず。

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よって、たまに登場するメガドラ者は即マブダチ。非メガドラ者だがメガドラに興味を持っている人には即プレゼン → マイルドに洗脳 → メガドラ陣営に引き入れる……という、セガの広報が聞いたら号泣するような行動に出ることがあるので要注意だ。

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・ソニック・ザ・ヘッジホッグのスゴさ

じゅん君がメガドライバーになるかどうかは、私のプレゼンにかかっている。責任重大。本当は『獣王記』の音声合成のスゴさから説明したいところだが、ビギナーには重いと考え、まずは誰もが知っている『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』から電源ON。

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テレビに映るのは真っ白い画面からの〜『SEGA』の文字。それと同時に、スピーカーから放たれるのはセガのテレビCMでおなじみの「セ〜ガ〜♪」の声!! ヤバイ……今から説明しようとしているオレが感動……!! たったこれだけで失禁モノの感動……ッ!

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私はすぐさま振り向いて、じゅん君に「これ! すごいでしょ!! これがセガの本気」と声をかけるも、彼は「え……な、何がですか?」と、意味が全然わかってない。しかも、すこし引いている。し、しまった……。いきなり飛ばしすぎたか……!?

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ということで私は、ものすごく簡単に、

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・メガドラ電源ON後のメーカー名表示は、通常は黒バック → 白SEGAか青SEGA
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・なのに、セガが社運をかけて作ったソニックは、白バック → 声付きSEGA!
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・他社のライバル機は回転拡大縮小なども自由自在だったが、メガドラにはそんな機能はないから、毎晩涙で枕を濡らすほど悔しかった。
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・にもかかわらず、プログラムだけで回転拡大縮小を再現したのがソニック。さらに、あのスピード感!
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・このゲームを作ったプログラマーの中裕司さんは天才……というか神
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メガドラには、これといった看板キャラもいないことも悔しくて、泣きながら『おそ松くん はちゃめちゃ劇場』か『アレックスキッド 天空魔城』をプレイしていた。
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・にもかかわらず、セガファンでなくても知られた存在になったのがソニック
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・音楽もヤバイ最高。ちなみに作曲したのはドリカムの中村正人さん。
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・ゲーセンのUFOキャッチャーから流れてる音楽は、実はソニックのBGM。それもまた、自分のことのように誇らしかった。

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──的な説明を軽く1時間ほどして、ソニック・ザ・ヘッジホッグの部は終了。じゅん君は「へぇ〜、そうだったんですねぇ〜」とニコニコしているが、まだダメだ。心ここにあらずというか、顔がメガドライバーになっていない。まだ16-BIT感が足りてない。

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・ベア・ナックルの部

続いて、ソニック発売(1991年7月26日)からわずか1週間後に発売されたキラータイトル『ベア・ナックル 怒りの鉄拳』についても、軽く1時間半ほど説明。

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詳しくは割愛するが、「単なるベルトスクロールアクションゲームではなく2人同時プレイ可!! キャラは3人で武器も豊富!! さらにBGMは古代祐三!!」てな感じであり、この2本を間髪入れずに発売した1991年のセガが、いかに本気だったのかを力説。

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その後、『コラムス』の説明では「中古の裸ソフトといえばコラムス」「メガドライバーの前でテトリスは禁句」など、あまり多くを語れない深い話をしたりもしつつ……

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『レンタヒーロー』と大田区の関係。さらに「なぜ大田区なのか(答:セガが大田区にあるから)」について、や……

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お客さんを呼んだとき用にぜひとも揃えておきたいのが、2人同時プレイが楽しいうえ、パッケージがメチャクチャかっこいい『ゴールデンアックス』

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初心者に1発で「これがメガドラだ!!」と分からせるために重宝するのが、ゲーセン筐体を買うほどセガ好きだったマイケル監修(まじ)のアクションゲーム『マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー』であること……を説明しても、じゅん君、反応うすい。

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──ところが!!

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最後に起動した『アウトラン』で、じゅん君の顔色が変わった。そして……「あーっ! これ知ってます! すごい昔、家族旅行に行った時、旅館とかで遊んだ気が……」と、目をランランと輝かせながら述べたではないか!! 私はその瞬間、隣の部屋にも聞こえるくらいの大声で「そう!! まさにっ!」と叫んだ。そう、まさに……!!

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・1991夏のメガドライバー

アウトランといえば、赤い車型のゲーム筐体に乗り込んで、海辺などを優雅に走る、実にトレンディなドライブゲーム。大型の筐体になると、ハンドルを切る度に筐体ごと……そう、“体ごと” 傾いたよね! これが俗にいう「体感ゲーム」というやつで、そいつをメガドラに完全移植したのがコレなのよ〜ッ!!

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ちなみに、このソフトが出たのもセガが本気を出した1991年の夏であり、発売日は先述の『ベアナックル』の1週間後だった。ソニック → ベアナックル → アウトランの3週連続16-BITコンボを真夏に食らったメガドライバーたちは海にも行かず、モニタの中の「COCONUTS BEACH」を走りながら名曲『MAGICAL SOUND SHOWER』を浴びたのである。……たぶん。

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ゲームオーバー後のネームレジスト画面は、赤い夕日の南国ビーチ。じゅん君に「この曲も名曲よ……」と『Last Wave』を聞かせてみると、瞳はうっとり、あまりの感動からか、今にも泣きそうになっている。いい顔。メガドライバーな顔つきだ!

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──と、その時だった。じゅん君が、意外な……それも悲しいことを言い始めた。彼がこの部屋にやってきたのは、「別にメガドラに興味があるわけではない」らしい。

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なんと、メガドラをプレイするためだけに、わざわざ “メガドラTシャツ” を着てくるほどのセガ好きな私のために、「セガの最新ゲーム情報を伝えたかっただけ」らしい。彼が私に伝えたかったのは『チェンクロ3』という名のゲームで、いわく……

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じゅん君「iOSやAndroidでプレイできるスマホ用のマルチ・チェインシナリオRPG、通称チェンクロ3こと『チェインクロニクル3』がリリースされました」

──とのこと。

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どんなゲームなのかを簡単に説明するなら “5つの場所で5人の主人公たちのメインストーリーが同時に進行! やがてそれぞれの物語が交錯し……!!” といった感じで、なんとゲームの事前登録者数は100万人を突破したほどの人気作品らしい。それだけの勢いがメガドラにもあれば……と思いを馳せつつ、私はじゅん君を開放したのであった。<完>

参考リンク:セガ「チェインクロニクル3」(App Store, Google Play)

執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.


Source: ロケットニュース24






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