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みんな、この間の平成最後の皆既月食は見られたかな? 残念ながら関東在住の筆者は雨で全く見えなかった。しかし、ケニアではばっちり観測できたようで、現地在住の記者、ルカが写真を送ってくれている。
ところで、お分かりいただけただろうか……ルカから送られてきた写真で、月の横に明るく写っている星を。あれはまさしく地球に接近中の火星である。
実は火星がここまで近くなるのは2003年以来の大イベント。記事の最期に火星観測のお勧めな時間を書いておくので、みんなで火星ウォッチングだ!
・地球との距離は5759万キロ
国立天文台によると、31日に最接近となる火星と地球間の距離は5759万キロ。と言われても、ぶっちゃけスケールが宇宙レベルでよくわからない。みんな口をそろえて近いとか言っているが、5759万キロとかどう考えても遠いだろ……。
地球の直径が1万2742キロなので、最接近時ですら地球が4519個分という遠さである。ちなみに、共に太陽の回りを公転している火星と地球は、約2年2カ月おきに太陽から見て同じ位置にくる。この状態は「会合(かいごう)」とよばれ、軌道的には近づきあった状態となる。
しかし火星の公転軌道は楕円形。そのため両者の距離がここまで近くなるのは約15年に一度。2020年にも地球と火星は会合するが、その際の距離は6207万キロ。このまま会合時の距離は開き続け、2027年にはなんと1億142万キロに達する……。確かにこれと比べれば、地球と火星的に5759万キロというのは滅茶苦茶近いと言わざるを得ない。
・8月中は大体明るく見える
ちなみに最接近自体は7月31日だが、8月半ばくらいまでは大体同じくらいの大きさで見えるはずだ。その後はどんどん小さくなってしまうが、それだけの猶予がある以上、たとえ31日の天気が悪くても大丈夫だろう。
ただ、月と違って火星は表面がはっきり見えるわけではないため、観察しても今一な感じがするのも否めない。そこで、きっと火星に興味が沸く幾つかの情報をお伝えしようと思う。
・未来の移住先か
かねてよりロケットニュースでも記事にしてきた通り、火星には複数の移住計画が進行中。今最も科学者達がアツい視線を向けている天体の内の一つと言って間違いない。
上述以外にも、あのテスラの創設者イーロン・マスクが主導するSpaceXが、2022年の実現を目指して火星に人を送り込む計画を進めている。こちらも最終的には火星に居住可能なコロニーの建設を想定したもの。この調子でいけば、火星が居住地となるのは時間の問題。
・ついに液体の水を発見か
また、欧州宇宙機構の火星探査機が、火星の氷の下に液体の水が存在している証拠を見つけたというニュースが、2018年7月25日にサイエンス誌で発表されたばかりだ。
水がかつて存在した証拠と、氷の存在も知られていたが、液体として現存するかは疑問だった。しかし今回の発見は水が存在する可能性をかつて無い高いレベルで示唆するものと考えられている。水の存在は生物が存在する可能性に直結するため世界中で話題になっており、ニュースを目にした方も多いのではないだろうか。
・次は2035年
このように、火星は49年前の月面着陸以来の、宇宙開拓史における大きな到達目標なのだ。そして次にここまで明るく見えるようになるのは2035年。「前人未到の星」としての火星を近くで見られるのは本当にこれが最後かもしれないぞ。
それでは最後に、国立天文台暦計算室のサイト『今日のほしぞら』で公開されている「火星が見える大体の位置や時間」を書いておくので参考にして欲しい。なお以下は、小笠原をのぞく東京都の基準なので、東京都以外の地域にお住まいの方は同サイトで検索してみてくれ!
・大体の火星の方角と火星の出の時間(※東京都基準)
7月31日:出は18時51分で方角は南東 23時32分に南中(南中時は真南でわかりやすいのでお勧めだ)
8月7日:出は18時17分で方角は南東 22時57分に南中
8月14日:出は17時44分で方角は南東 22時23分に南中
8月21日:出は17時13分で方角は南東 22時51分に南中
8月28日:出は16時43分で方角は南東 21時23分に南中
参照元:国立天文台「火星大接近」 「今日のほしぞら」、Space X(英語)、Science(英語)
執筆:江川資具
Photo:Wikimedia Commons. / RocketNews24.
Source: ロケットニュース24
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