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最近は、Netflixなどの配信サービスで新しい海外ドラマが次々に登場して、作品としてのクオリティがハンパなく素晴らしいシリーズが少なくない。
そんななかでも、筆者が「海外ドラマ史上における一番の衝撃作」だと断言する、『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』を紹介してみたいと思う。女性が出産マシーンのように扱われるデストピアな世界が、まるでデジャヴを見ているかのような気持ちにさせられてしまうのである。
・『ハンドメイズ・テイル』ってどんな作品!?
まずは本シリーズが、どんな作品なのか簡単に説明したいと思う。本作は、カナダの女流作家マーガレット・アトウッドの小説『侍女の物語』のドラマ化で、1990年には映画化されたこともある。
物語の舞台は、キリスト教原理主義者達がクーデターを起こし、近未来の米国に誕生したギレアド共和国。この国では同性愛者は “性の反逆者” として処刑され、医者や作家などの知識人は捕らえられてしまうのだ。
そして、世界中で環境汚染により出産率が著しく低下し、ギレアド共和国では生殖能力がある健康な女性は政府により身柄を拘束され、子供を産む出産マシーンとして支配者階級に仕えさせられるのである……。
・女性が男性の所有物のように扱われる世界……
そして、年齢や健康に問題があり出産できない女性は、汚染物質を処理する “コロニー” と呼ばれる場所へ送り込まれるというから、恐ろしいこと極まりない。アラフォーの筆者は、「もう完全にコロニー行きじゃん……」とドラマを見ながら身震いしてしまった。
こんな、女性にとって悪夢としか言いようがない世界を描くシリーズの主人公は、夫と娘と幸せに暮らしていたジューン・オズボーン。しかし、クーデター後に捕らわれの身となった彼女は “オブフレッド”と名前を変えさせられ、フレッド・ウォーターフォード司令官の “侍女” として仕えることになるのだ。
ここで気づいた人がいるかもしれないが、ジューンの新しい名前 “オブフレッド” は、彼女が奉仕することになるフレッド・ウォーターフォードに由来している。“オブフレッド(Of Fred)” の “Of” は「~の、~の所有の」を意味し、ジューンは “フレッドの物” ということになる。
女性が男性の所有物となり、出産能力のない女性はゴミのように扱われ、不義を働いたら投石の刑に科せられるデストピアな世界……。
・奇妙なデジャヴ感に襲われてしまう作品
本作はフィクションだが、シリーズを見ていた筆者は奇妙なデジャヴ感に襲われてしまった。日本では、結婚したら女性が夫の名字に変えるのが当たり前のように思れているし、中東では婚外性交渉を行った女性が死刑判決を下される国もある。
それだけでなく、家名を傷つけた女性が家族や親戚の男性に殺害される名誉殺人も、いまだにニュースとして報じられているぐらいだ。やっと女性の車の運転が法律で許可された国だってあるし、まだまだ世界には女性が自由に自分の意志で物事を決められない国が存在している。
『ハンドメイズ・テイル』は近未来を舞台にしたフィクションではあるものの、このシリーズで描かれていることは現代世界に生きる女性が経験していることでもあるのだ。
・今だからこそ見るべき傑作シリーズ!
特に2017年は、ハリウッドで起こったセクハラ・スキャンダルが世界中で大きく取り上げられ、自分が経験したセクハラや性差別を訴える「#MeToo」ムーブメントが拡大した。
そんな社会的背景もあり、2017年4月に米Huluで配信スタートした本作は大ヒット! シーズン2では、想像を絶するほどの苦境にありながらも、生きる目的を見つけようと必死に耐え忍ぶジューンと彼女の仲間達が、ついに反旗を翻(ひるがえ)す展開になるようだ。
このシリーズを見たら「女性として生まれた意味」や、「あるべき女性の姿」について考えさせられるに違いない。そして、ぜひ男性にも見てほしい作品だと思う。筆者の男友達も “傑作” だと絶賛していて、この時代になっても弱い立場に立たされることが多い女性に、どう接するべきなのか深く考えさせられたと言っていた。
かなり重いテーマの作品だが、サスペンスフルな演出と突出した脚本により進められるストーリーが、文句のつけようがないほど素晴らしい。筆者が「海外ドラマ史上における一番の衝撃作」だと断言する『ハンドメイズ・テイル』は、日本でもHuluにてシーズン1が配信中だ。
参照元:Hulu『ハンドメイズ・テイル / 侍女の物語』
執筆:Nekolas
Photo:© 2017 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved. © 2017 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
Source: ロケットニュース24
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