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映画の祭典、第90回アカデミー賞授賞式が現地時間2018年3月4日(日本時間3月5日)、米ロサンゼルスで開催された。まずその大きなトピックとして、日本人アーティストの辻一弘さんが、メイク・ヘアスタイリング賞を受賞したことが挙げられるだろう。これは日本人として初の快挙なのだ。
さて、今回は3部門を受賞した『ダンケルク』について、まだ映画をご覧になっていない方に注意しておくことが1つある。どうか心して聞いてほしい。実はこの作品、すでブルーレイ&DVD化されているのだが、初めて見る人は絶対にそれらのソフトで見るべきではないのだ! なるべく、のような話ではないぞ。これは絶対である!!
・『ダンケルク』が3部門受賞
第90回アカデミー賞において、録音賞・音響編集賞・編集賞の3部門に輝いた『ダンケルク』。『ダークナイト』『インターステラー』などを手掛けたクリストファー・ノーラン監督による戦争映画だ。日本では2017年9月に公開された。
・2017年屈指の話題作
その細かいストーリーについては、今回は省略させていただく。超簡単に書くと、第二次大戦中、フランス・ダンケルク海岸でドイツ軍に追い込まれた連合軍が、なんとか撤退しようとする様子を描いた作品だ。
海岸では数十万もの兵士がドイツ軍に包囲されて身動きが取れず、このままでは殺されてしまうという恐怖に襲われている。そんな彼らを救うため、徴用命令を受けて出港した民間船。そして、海岸を爆撃するドイツ空軍の攻撃に向かうイギリス空軍の戦闘機。その3つの視点が平行して描かれるのだ。
・音響に注目
この映画の何がヤバイって、とにかく音響がヤバすぎるのである。私(あひるねこ)は公開当時に1度だけ映画館で見たが、あれは本当に忘れがたい体験だった。なにせ冒頭、最初の銃声が響いた瞬間に「あ、死んだ」と思ったからな。銃声というか、あれはもはや銃撃そのものであった。
・ブルーレイ&DVDじゃダメ!
それ以降、映画が終わるまで体は常に緊張しっぱなしで、映画館を出る頃にはぐったりしてしまった記憶がある。私はこの作品をブルーレイやDVDで見てはいけないと書いたが、正確には、映画館で見ないと意味がないと思うのである。基本、映画は映画館で見た方がいいに決まっているが、『ダンケルク』の場合はその度合いが別次元だ。
特に印象に残っているのが、船に隠れていた兵士たちが外から銃撃されるシーンである。面白いことに、この作品には敵兵の姿がほぼ登場しない。そのため、このシーンにおいて敵からの攻撃だと分かる要素は、銃声と船体に空いた穴しかないのだ。にもかかわらず、音の緊迫感が尋常ではないため、思わず目を背けたくなるほどの緊張を強いられるのである。
・映画館で見るべき
この緊張感は、映画館の音響によって生まれている部分も大きいと思う。いくらブルーレイでも、あの音響体験を再現するのは難しいだろう。つまり、映画館で見ないと、本当にこの作品を見たことにはならないのである。実際に映画館で見た人なら同意してくれるはずだ。『ダンケルク』とは、劇場視聴専門作品であると。
・まだ上映している
でも去年の映画でしょ? と諦めるのは早いぞ。数は少ないが、まだ上映している映画館は全国にある。私が調べたところ、東京では「キネカ大森」が3月16日まで上映予定だ(2018年3月5日現在)。また、今回の受賞によってリバイバル上映をする映画館が出てくるかもしれない。
細かいところをブルーレイやDVDで繰り返し見直すのはいい。しかし、初見の人は絶対に映画館に行くべきだ! 映画館での視聴を最初の体験にするべきだ!! そして見終わったあなたは、きっとこう思うだろう。「映画館で見てよかった……」と。『ダンケルク』、アカデミー賞3部門受賞おめでとうございます。
参照元:Instagram @dunkirkmovie、キネカ大森
執筆:あひるねこ
Source: ロケットニュース24
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