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『成人式』は誰にとっても一生に一度の記念日である。それを台無しにする一大事が起きた。横浜市などに店舗を置く「はれのひ株式会社」が、突然営業を取り止めて社長が雲隠れしてしまったのだ。晴れ着を予約していた新成人は当日に着ることができず、事前に支払っていた代金などの被害総額は数千万円にのぼると見られている。
この会社とは無関係で、佐賀県にある写真館を経営する「株式会社ハレノヒ」は、社名が同じであることから一部で混同され、問い合わせなどがあったそうだ。そんな中、風評被害を防ごうとする人たちが、SNSで別会社であることを強く訴えたという。株式会社ハレノヒのブログには、感謝の言葉とはれのひ株式会社へのメッセージが綴られている。
・SNSの動き
株式会社ハレノヒのブログによると、2社を混同しないように働きかける動きが、SNS上で広まったようだ。
「SNS上などで、当社が今回の騒動とは全くの無関係であり、間違えないように呼びかけて下さるなど、風評被害を防ごうと動いて下さった皆様にです。見ず知らずの当社に被害が及ばないように行動して下さり、本当にありがとうございました」
同社に電話で話を聞くと、この件で励ましや応援の言葉を数多く受け取ったという。残念ながら今回の騒動で、「はれのひ」という言葉のイメージは良くないものとなったかもしれない。そのことも懸念して「社名を変えては?」との意見もあるようだ。だが、笠原徹社長は「変えるつもりはありません」という。
「写真を撮る日がその人の『ハレの日』になって欲しいという意味のほか、心が晴れやかになる天気の『晴れた日』の意味と、ハワイ語で『家』を指す『hale』の日、つまり『家族の日』になればいいなという思いのもと付けました。
今はむしろ『はれのひ』という音に付いたマイナスイメージを、当社でなんとかプラスに持っていきたいと考えています」
──とブログで訴えている。マイナスのイメージを払拭する気持ちで、同社はこれからも「ハレノヒ」の看板を背負っていく覚悟のようだ。
・はれのひ株式会社の元社長に向けて
そして同ブログでは、騒動を起こしたはれのひ株式会社の元社長に向けて、こう訴えている。
「成人式当日に業務を放棄した行動は到底容認できません。人生の門出であり、まさにハレの日を迎えようとしている成人やそのご家族の、戻ることのない大切な時間を奪ったことは、同業者としても一個人としても全く理解できません。(中略)
『もう倒産するけど、成人式だけはちゃんと着物を着させて終えてあげたい。』そう考えて欲しかったです。それが『時』と『思い出』を扱う商売をしている人間の最低限の資質だったんではないでしょうか」
──笠原社長の言葉には、悔しさがにじんでいるように感じられる。同じ名前の企業で同種の仕事をしているにもかかわらず、どうしてこんなことになってしまったのか? そう思わずにはいられない。
今回の騒動は、株式会社ハレノヒにとっては災難だったかもしれない。だが、これまでの仕事や日頃の姿勢があるからこそ、多くの人から応援や励ましを得られたのだろう。笠原社長の決意通り、「ハレノヒ」という言葉に、これまで以上の価値が宿ることを願う。
取材協力:株式会社ハレノヒ
参照元:株式会社ハレノヒ ブログ、Twitter @halenohiphoto、産経ニュース
Report:佐藤英典
Source: ロケットニュース24
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