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2015年に白人警察官が武器を持っていない黒人男性を射殺した事件が起こって以来、アメリカでは警察官のボディカメラ装着の声が高まっているという。
証拠の適切な収集に、警察官の偽証の回避など、ボディカメラ装着の有用性は実証されているもよう。この度も、ボディカメラはある決定的瞬間を捉えていた。なんと警察官が容疑者の財布にコカインを忍ばせる場面が映っていたのだ。
・容疑者のポケットから見つかったはずのコカイン
2017年4月、ひき逃げとコカイン所持の疑いでロナルド・シールズ容疑者が逮捕された。当初ロサンゼルス警察は、シールズ容疑者の “左側の前ポケット” からコカインを詰めた小袋が発見されたと報告していたそう。
だが今回行われた予審にて、警察官が装着していたボディカメラ映像が公開されたところ、その報告がでっち上げであることが明らかとなった。
・ボディカメラが見ていた「警察の噓」
米メディア『CBSロサンゼルス』が入手した映像には、地面に落ちたシールズ容疑者の財布を拾う警察官ガキシオラ氏の姿が収められている。
彼は財布を地面に置くと、次に「白い粉の入った小袋」を拾い上げる。そして財布と小袋を両手に持ったかと思えば、シールズ容疑者を拘束する警察官サミュエル・リー氏に対して「この袋を、こいつの財布に入れるからな」というジェスチャーを取るのだ。
この後、ガキシオラ氏はシールズ容疑者の財布に小袋を入れると、仲間の警察官らに「容疑者はコカインを所持していた」とくり返し伝えるのだった。
・なぜボディカメラがありながら、警察は嘘をついたのか?
しかし警察官らは、ボディカメラの存在を知りながら、なぜこんな嘘をついたのだろう?
『CBSロサンゼルス』によると、ガキシオラ氏がボディカメラのスイッチを入れたのは小袋を財布に入れた直後。だがカメラには、スイッチが入る30秒前の映像を自動で録画する機能が搭載されているとのこと。どうやら彼は、この機能を知らなかったようだ……。
・警察官「ノーコメント」
今回の予審でも、リー氏は「コカインは容疑者の左側の前ポケットから見つかった」と証言したそう。けれどもこの映像を見せられると、ショックを受けた様子で黙って退室したと伝えられている。
同メディアはガキシオラ氏にもインタビューを試みているが、ただ「ノーコメント」と返ってきただけだった。
リー氏は「容疑者のポケットからコカインの袋が落ちた」とも主張しているが、容疑者の弁護士はそれに対しても反論。「ガキシオラ氏は、あらかじめ持っていたコカインを地面に落としたと考えられます。ほら、ここで小袋を持ち替えているのが見えますね」とボディカメラ映像上で指摘している。
警察官らによって罪がでっち上げられたなら相当悪質だが、まだ詳細は分かっていない。ロサンゼルス警察は、内部調査を行っていくと発表しているのだった。
参照元:CBS Los Angeles(英語)、Facebook
執筆:小千谷サチ
Source: ロケットニュース24
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