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本日、10月1日は「日本酒の日」だ。10月は新米で新酒が造られ始め、春先に造られたお酒が熟成して飲み頃となる。まさに日本酒にとっては節目の時期。涼しくなってきて、気分的にもビールよりは日本酒が恋しくなる。
さて、日本酒の発祥地に “奈良説” と “伊丹説” があることはご存じだろうか。おそらく奈良県民は奈良発祥だと思っているし、兵庫県民は伊丹発祥だと信じているに違いない。いっちょこの辺で、どちらが真の発祥地かハッキリさせようではないか! ということで、調べてみた結果は以下のとおりである。
・お寺から生まれた奈良の清酒
そもそも、何をもって発祥地と言っているのだろうか。まずは奈良県を見ていこう。奈良市の南には、今や “人形供養” で有名な「正暦寺」というお寺があるのだが、ここで14世紀中ごろに日本初の清酒が作られたと言われている。
同寺域のすぐそばを流れる川に酵母と乳酸菌が住み着いていたこと、そして荘園などからコメが寄せられたことで酒造スキルアップにつながったようだ。できあがった酒の名前は、その名も「菩提泉(ぼだいせん)」。それまで主流だった白く濁った「どぶろく」でなく、透明な清酒を生み出した。
・おっちょこちょいから清酒が誕生か
対する伊丹は16世紀に誕生したもよう。戦国武将の山中鹿之助長男・幸元(ゆきもと)が伊丹・鴻池の地に落ちのび、酒造りをしたことが始まりだとか。また、酒だるの中にかまどの灰を誤って落としたことで、にごり酒が澄み切り清酒が誕生したなどと言われている。
・発祥は奈良、広めたのは伊丹
どうやら発祥は奈良の方が早いようだが、伊丹は伊丹で、独自に清酒を開発販売促進してきたようである。考えていても仕方がないので、奈良市と伊丹市の役所に問い合わせてみた。すると両者から「生まれたのは奈良で、完成度を高め販売エリアを広めたのは伊丹」という答えが返ってきたぞ。
奈良は日本酒を作りはしたものの、寺というある意味閉ざされた空間なので、おおっぴらに広がりを見せることはなかったようだ。それに対し、伊丹で作られたものは、江戸などにも持ち運ばれて一気に拡散したようである。
いずれにせよ、両地域の日本酒が美味しいことは確か。近々、奈良では「酒なら日本酒」という飲み歩きできるイベントが、伊丹では「伊丹まちなかバル」が開催される模様。また、両市が協力する催し物などの予定もあるようだ。奈良、伊丹に足を運んだ際には、自分の舌で歴史ある酒の味を確かめてみてほしい。
参照元:奈良市、伊丹市
Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.、伊丹市
Source: ロケットニュース24
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