【マサイ通信】第99回:村の井戸を復活させるために原稿料を稼ぎ続けたマサイ族、現在の貯金額は…



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スパ! もう覚えたよな。マサイの言葉(マー語)で「こんにちは」だ。では、マー語ではないけども、ケニアの公用語であるスワヒリ語での諺(ことわざ)、「チュルル、シ、ンド! ンド! ンド!」の意味は覚えているかな? 何度か教えたぞ。

あえて日本語で表現するなら「雨垂れ石を穿つ」、つまるところ「継続は力なり」だ。てな感じで、マサイ通信も連載99回目。まさにチュルルシンドンドンドの99回目だ。そして、もうひとつ覚えているかな? オレがライターになった目的を。

つーことで今回は、オレが今まで貯めてきた原稿料……すなわち、「マサイの村の井戸を修復するための貯金額」を発表したいと思ってる。

・めざせ10万ケニア・シリング

井戸修復のために必要な金額が、いくらなのかは覚えているかな? 実はマサイ通信の第13回でバッチリ金額を書いておいた。「壊れた井戸は、ざっと10万ケニア・シリング(約11万1583円)あれば修理できる見込みだ」ってな。

で、原稿料が、ズバリいくらなのかは……ふふふ……そいつァ言えねえなぁ〜(笑) でも、他の日本人ライターと同じ額をもらっている。「だったら10万円なんて すぐに貯まるだろ」……なんて思うのは大きな間違いな。ここは日本じゃねえんだ。

まず、このケニアの僻地から、スマホを使って写真を送るってのが非常に大変。いつぞやか「パケ死する」って書いたけども、けっこう通信費がバカにならない。それに加え、電気事情が最悪で、スマホを充電するのも一苦労。交通費もかかっちまう。

さらに、この連載を始めてから、もうすぐ2年になるけれど、その間、いろんなアクシデントがあった。ナイーブなことだから記事にはしてないけど、親戚が交通事故で入院した……のが、なんと2回。仕方ないけど、「ドカーン!と金が飛んでいった。そういえば、オレの弟がライオン殺しの罪で警察に捕まったりもしたっけな(笑)

あとは、最初に使っていたスマホのバッテリーが壊れたので、外付けバッテリーを購入したり。それでもスマホの調子が直らんから、オンボロの中古スマホを買うハメになったり……と、たびたび出費がかさんで、なかなか思うように貯金できなかった。

でも……チュルル、シ、ンド! ンド! ンド! なんだよ。




毎月毎月、ゴー(羽鳥)はオレに原稿料を支払う前に、口酸っぱく

「井戸用の貯金はいくら貯まった?」

と聞いてきた。毎回だ。口うるさいお母さんみたいに、ホント毎回だ。しかも、「やむを得ない場合を除き、もしも貯金してなかったら連載終了だ」的な脅しもあった。あいつ、キビシー。しかし、そんな恐怖政治の甲斐もあり、今年の夏ごろには……

8万5000ケニアシリング貯まった! ゴーからも「あとすこし! あとすこし!!」とのゲキが飛ぶ。そして……さんざん引っ張っちゃったけど、いよいよ答えの発表だ。連載99回目にして、貯まった井戸修繕用の貯金額は……

10万! ついに!! 当初から目標にしてた10万ケニアシリングを、ついに……援助に頼ることなく、マサイ通信の原稿料だけで貯めることができたんだ! チュルル、シ、ンド ンド ンドッ! チュルル! シ! ンド! ンド! ンド! ハッハァ〜(Hahaaaa)!!

あとは宣言通り、枯れた井戸を直すだけ。ケニアの僻地には「クラシアン」みたいな業者はいないからよ、まずやるべきことは、実際に直せる業者を探すことだ。

ちなみに今、オレが住んでる「アンボセリ」は、近年まれに見る大干ばつで、満足に水が飲めなかった動物たちが、バッタバッタと死んでいる。マジ深刻なので記事にはしなかったけど、これマジバナよ。なので、なる早で「水」が欲しいんだ。はたして無事に井戸は復活するのだろうか? 連載100回目を乞うご期待! では、オセレリ〜!!

Report:ルカ(マサイ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.


Source: ロケットニュース24






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