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あなたはスタジオジブリの作品と言えば、最初に何を思い浮かべるだろうか。『千と千尋の神隠し』『もののけ姫』『耳をすませば』『魔女の宅急便』などなど、年代によってもわかれると思われるが、私(中澤)はなんと言っても『天空の城ラピュタ』である。
1986年に公開されて以来、いまだに金曜ロードショーで放送された際はバルス祭りが起こる本作。この度、そんな『天空の城ラピュタ』に隠された暗号を発見したためお伝えしたい。ムスカの真の名前ってそういう意味だったのかァ!
・ムスカの真の名前とは
物語の後半で明かされるムスカの真の名ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ。作中でムスカは「ウル」がラピュタ語の「王」という説明をする。
ちなみに、ヒロインであるシータの真の名はリュシータ・トエル・ウル・ラピュタ。「トエル」は「真」という意味なので、シータはラピュタの正統な王位継承者・リュシータ王女なのだとか。
・作中で解明されない言葉
さて、ここで1つ解明されていない言葉があることに気づかないだろうか? つまり……「パロ」って何やねん。ムスカ結局何者やねん。
1人で考えてもこれっぽっちも分からなかったので、近くにいたプロレスマニア2人に相談してみることにした。そう、ロケットニュース24編集部屈指のプロレス好き・GO羽鳥とP.K.サンジュンである。すると、衝撃の答えが返ってきたのだ!
GO羽鳥「パロ? パロって言ったら……」
P.K.サンジュン「アレしかないですね」
──え、分かるんですか?
GO羽鳥「もちろん意味は知ってるし、ムスカの正体も分かった」
──マジっすか!
GO羽鳥「まず『パロ』の意味だが……これは、どう考えても関節技 “パロ・スペシャル” の考案者である英国出身のジャッキー・パロのことだ」
──誰やねん。
P.K.サンジュン「ジャッキー・パロは来日記録がないので未解明の部分が多いのですが、イギリスのプロレスは “キャッチ・アズ・キャッチ・キャン” と呼ばれるランカシャースタイルが特徴です。
ランカシャースタイルとは、一言で言えば関節技や絞め技などのサブミッションを主としたレスリングで、今なおイギリス出身のレスラーの多くに脈々と受け継がれている伝統的なファイトスタイルです。
有名なのは “ビリー・ライレージム”、通称 “スネークピット(蛇の穴)” と呼ばれるランカシャースタイルのジムですね。カール・ゴッチ、ビル・ロビンソン、ダイナマイト・キッドもスネークピット出身ですよ」
──いや知らんけど。
GO羽鳥「おそらくムスカは『パロ』という名で “関節技の象徴” を表現しているんだろう。別にパロ・スペシャルは “関節技の象徴” ではないんだけど、パロ・スペシャルくらいの派手さと、わかりやすさが欲しかったんじゃないかな。そして、この選択にムスカの真実を紐解く鍵がある」
──と、言うと?
GO羽鳥「一般的なプロレスファンに向けての “関節技の象徴” といえば、アキレス腱固めとかエビ固めとかいろいろあるけど、『脇固め』は絶対に外せない。
ところが『脇固め』の英名は “フジワラ・アームバー” なんだよね。もちろんフジワラってのは、藤原組長(藤原喜明)のこと。これで行くと “ロムスカ・フジワラ・ウル・ラピュタ” になっちゃって、どう考えても組長、すなわち日本人をイメージしちゃうでしょう。
でもそれじゃ困る。だから『パロ』なんだよ。あえて、英国生まれのパロ・スペシャルを選んだ。つまり、ムスカはイギリス人だね」
──イギリス人かもしれんけども。
GO羽鳥「さらに言うなら、そんなムスカの魂を描ける宮崎駿監督もあるいはイギリス人……?」
──メキシコ人ちゃうかったんかい。
P.K.サンジュン「ジブリ作品はヨーロッパを舞台にしたものが多いですよね? もしかしたら宮崎氏は、視察などでイギリスを訪れた際、ランカシャースタイルに触れたのかもしれません。
いや……イギリスマットの最盛期はむしろ戦前です。そう考えると、宮崎氏は戦前(宮崎氏は1941年生まれ)、生まれてすぐにランカシャースタイルを知っていたのかも。もっと言えばお腹の中にいる頃から……。
つまり、宮崎氏はイギリス人説は十分ありえますね。先述のように、ジブリ作品の多くがヨーロッパが舞台になっていることを思えば、『宮崎駿はイギリス人』と考えるのがむしろ自然ではないでしょうか?」
──ヒドイ言いがかりですね。
GO羽鳥「ちなみに『ムスカ(ロムスカ)』ってのは、オランダの赤鬼とも呼ばれた柔道家、ウィリアム・ルスカ(ウィレム・ルスカ)のことを指してるのは明白。ミュンヘン五輪の金メダリスト、つまりは『最強の象徴』さ。
さらに、『ウル』ってのは、俺が思うに、メキシコで使われるスペイン語においての『究極(アルティメット)』の意味をあらわす “ウルティモ” だよね。つまるところ、ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタの意味は、
『最強にして究極の関節技の鬼』
……ってこと。ちなみに日本で “関節技の鬼” と呼ばれているのは、先述の藤原組長。さらに深く考察すると、藤原喜明の異名は『テロリスト』。整理すると、『最強にして究極のテロリスト』、それが英国人ムスカなのさ」
──ウゼェェェエエエ! そしてムスカヤヴェーーーーーーーー!! そこまで関節技に情熱を燃やしてたなんて。しかも、シータの真の名前が「ラピュタの正統な王位継承者」なのに対して、ムスカの真の名前がまさかの「最強にして究極の関節技の鬼」だったなんて。
後半ほとんど何言ってるか分からなかったのだが、ムスカの関節技への傾倒はビンビンに伝わってきた。っていうか、宮崎駿監督はどこまで狙ってやってるんだろうか。今後もロケットニュース24編集部では、ジブリ作品に隠された謎を追い続けていきたい。
イラスト・執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
Source: ロケットニュース24
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