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お隣の国・中国で話されている中国語は、文章にすると漢字だけで表現される。簡体字と繁体字があるが、中国大陸で公用語として使われている「普通話」で使う漢字は簡体字だ。
中国人は漢字を間違えないと思っていたわけではないのだが、漢字の国の人だから大丈夫だろうと思っていると大変な目に遭うということを実体験と共にお話したい。
・日本人でも間違える名前
筆者は「麟閣」という名前で活動している。20年ぐらい前、ホームページを作る際に当時から大好きだったバンド「ユニコーン」の中国語表記をそっくりそのままいただいた。この「麟閣=ユニコーン(バンド)の中国語表記」と言う情報はユニコーンのファンブックに掲載されていた。
要するにユニコーンが好きだからユニコーンと名乗っているどうしようもない人間なのである。罪悪感からか中国語表記を選んでしまっただけの小心者でもある。
そしてこの「麟閣」という名前がよく間違えられるのだ。今まで間違えられた例を挙げると「麒麟」「鱗閣」「麒閣」「楼閣」などなど。「りんかく」と声に出してくれた人が「麒麟」と書いたときには感動すら覚えた。
・中国でも間違えられる
何が言いたいかと言うと、漢字の国に住んでいらっしゃる中国人にも名前を間違えられたのである。それもネット上やSNSでの書き込みの間違いではなく、発注した商品での間違いだったのだ。
今回、中国の業者に帽子を発注した。一緒に旅行に行く仲間のために作ったものであり、「麟閣山寨旅遊」と簡体字で刺繍してもらうよう注文をした。
ちなみに「山寨」を日本語にすると「パチモノ」とか「パチモン」という表現がしっくり来る。麟閣とパチモノを探すツアーの参加者用帽子だ。中国の観光地によくいる老人の団体をイメージして作った。
・届いた
価格は一つ20元(約340円)。日本で帽子に刺繍を入れてもらうよりは安いと思う。正直、ネタ用なので品質はあまり見ていない。業者から届いた箱を開けると、
「麟閣」ではなく「麒閣」になっていた。「りんかく」ではなく「きかく」。麒と麟の2択で間違えられてしまったのだ。
・誰だよ麒閣って
ちゃんと麟閣って書いたのに間違えられるとは……。 誰だよ「麒閣」って……。 よく間違えられる名を名乗っているのならば「麒麟の麟と閣僚の閣、麒じゃなくて麟ね。R・I・N、RIN」などと説明しなくてはいけないのだ。それを怠っていた私が悪い。
・どうすんのコレ
しかもこんなにある。どうすんのコレ。中国側から送られてきた画像を見て膝から崩れ落ちたのだが、「パチモノだって言ってしまえばみんな納得するかも」と悪魔が耳元でささやいてきた。
しかし天使が「ちゃんとしたものを渡したほうがいいでしょう」と諭すので作り直しができるかを聞いたところ、作り直してくれるとのこと。よかった……。
・返品
というわけでこの帽子は返品することになったのだが、もしかすると処分されずにどこかの市場に流れるかもしれない。中国では製作に失敗したものが横流しされることが多いからだ。もし見つけたら買ってあげて欲しい。流れるとしたら広東省の小さい街だ。
・注意しよう
日本には同じ読み方でも漢字が違う苗字がある。たとえば「さいとう」は斉藤・斎藤・齋藤・齊藤などなどいくつあるかもわからない。自分の名前を間違えられたことがある人は、簡単でいいので書き方の説明を添えるとスムーズに行くと思うので、私もこれからはしつこいぐらいに漢字の説明をしようと思う。
執筆:麟閣
Photo:RocketNews24.
Source: ロケットニュース24
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