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なんでも本日2月9日は「漫画の日」であるらしい。ほかにも7月17日や11月3日もマンガの日でらしいのだが、今日という日を「漫画の日」と定めたのは、かの有名な古書店『まんだらけ』とのこと。ちなみに漫画家・手塚治虫先生の命日でもある。
さて。そんな漫画の日に、ひとりの悩める若者が、泣きそうになりながら私(羽鳥)に相談を持ちかけてきた。話を聞くと、「どうしてもバッティングの絵が上手く描けない」のだという。問題のイラストを見せてもらうと、なるほど確かに下手だった。
描き手は、実はひそかに漫画家を目指している中澤せいじ(34)だ。どうやら青春マンガを描きたいらしい。そして、青春といえば野球という発想なのか、彼は「毛が生えたモチが張り付いたバットを構える八重歯の男」を真剣に描いていた。
しかし……
中澤「もっとこう……「フルスイング!」って感じの躍動感と「ホームラン!」っていう迫力が欲しいです。助けてください! お願いします!!」
と私に頭を下げてきたのである。なるほど、事情は理解した。それでは、プロに意見を聞いてみよう……と声をかけたのがキャリア18年目のマミヤ狂四郎(37)である。
・プロは問題点を瞬時に見抜いた
中澤の絵をパッと見ただけで、マミヤは「なるほどね……」とニヒルに笑った。どうやら問題点を瞬時に見抜いたらしい。彼いわく、「ちょっと……カタいねぇ。動きがカタい。あと身体のバランスが悪い。デッサンが狂いまくってるなァ」とのこと。
──そこから先は、まさにプロの仕事だった──。
マミヤは中澤の絵をiPhoneで撮影すると、「スキャン完了……」とつぶやいた。そう、真のプロはスキャナーなんて使わないのだ。そして、漫画制作ソフトを起動するや否や、ブツブツと独り言を漏らしながらガシガシと修正を加えていったのである。
マミヤ「まず頭がデカい。小顔にするぞ」
マミヤ「次に、足腰のフォームがカタいから、もっとダイナミックな感じにしよう」
マミヤ「上半身も全然ダメ。喝だ!! こんなんでホームランが打てるか! もっと動きをつけるんだ!!」
マミヤ「ホームラン打ったら視線はどこに行く? 大空だろう! 視線でも動きをつけろ!!」
──と、なんと驚くべきことに、ほぼ何も描かずにバッターのフォームを劇的に変えてしまったではないか! なんという名コーチだろうか。そして……
マミヤ「ボールはすでにカッ飛んでいる。バットに張り付いたモチは捨てるぞ」
マミヤ「ミートの瞬間よりも、ミートの後を描いたほうが躍動感が出る」
マミヤ「あとは、スピード感をつけて……」
マミヤ「効果音やセリフを入れて……ごまかせ!」
マミヤ「なんか左下に寂しいスペースがあるから……うっすら顔面を入れて完成としようか」
──てな感じで、作業開始から約10分。彼がしたことといえば、「コピペ」と「スピード線」と「効果音&セリフ」のみ。たったこれだけのことで、あっという間にマンガチックなイラストに変化したのである! なんというプロフェッショナル……!!
最後にマミヤはこう言った。「正しく描く必要なんてないんだ。間違っていても自信マンマンで描くんだ。“こうだ!” と描いて、“それっぽく” 見えれば、それでいいんだ。ようするに、威風堂々とした態度で……ごまかせ!」と。
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
Source: ロケットニュース24
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