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人類史上はじめて誕生した仮想通貨というブランドがありますし、すでにビットコイン決済ができる量販店なども登場しています。
ただし、ここを勘違いしないでいただきたいのですが、客はビットコインで支払っても、そのときのレートで円に換算され、店舗側は「円」で代金を受け取っています。
実際に、商品の値段がビットコインで表記されることはありません。
1万円の商品はあくまでも1万円で、そのときのビットコインの価格が100万円なら、0.01ビットコインで支払えるという、厳密には「ビットコインの疑似決済」です。
さて、このビットコインですが、今後、広範囲にわたる店舗決済や銀行の送受金のような「実体経済と連動した」使われ方はしないと私は個人的に思っています。
むしろ、USBメモリ程度のハードウォレットに価値を保存できますので、「金(ゴールド)よりも手軽なデジタルゴールド」のような位置付けになっていくと感じています。
私がそう思う理由は、ビットコインの「トランザクション問題」です。
ビットコインは、極めて処理能力の低い仮想通貨です。
第24回連載でブロックチェーンやビットコインのマイニングの基礎的な解説をしましたが、ビットコインのブロックの生成時間はおよそ10分と決まっています。
そして、この新たなブロックには約4000件のトランザクション(取引)が記録されます。
すなわち、「4000件÷600秒」で、ビットコインが1秒間に処理できるトランザクションは約6~7件です。
まだほとんどの人がビットコインを使っていなかった時代にはこれでよかったのですが、2017年に入ると一気にビットコインが過熱しました。
そして、まず日本の取引所でビットコインを購入し、そのビットコインを海外の取引所に送金して、そのビットコインでアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)を買う投資家が爆発的に増えました。
しかも、これは日本のみならず、世界中で発生した現象です。
結果、ビットコインはトランザクションを処理しきれなくなり、俗に言う「送金詰まり」が多発するようになりました。
着金までに4日も!
たとえば、2017年11月に私が海外の取引所でしか買えないあるアルトコインを買おうと、日本の取引所から海外の取引所にビットコインを送金したのですが、着金するまでに4日も要しました。
しかも、当時はビットコインの送金を抑制しようと、手数料が約4000円もかかったのです。
その4日間にアルトコインは暴騰してしまい、結局買えなかった私は、渋々日本の取引所にそのビットコインを戻しました。
これで、手数料だけで往復で8000円の損失です。
これのどこが、「送金が速くて手数料が安い仮想通貨なんだ」と嘆息しました。
ちなみに、このときのビットコインの送金詰まりはおよそ20万件ありました。
ただし、このトランザクション問題については様々なアプローチで改善策が議論されています。
ビットコインの改善版
そこで考えられたのが、ビットコインのブロックサイズの1MBを拡張しようというアイデアです。
そして生まれたのが、ブロックサイズが8MBのビットコインキャッシュなのです。
私もその一人ですが、「ビットコインキャッシュのほうがビットコインよりも優れている」と主張する人の根拠はここにあります。
ただし、かなり専門的な話になるので割愛しますが、ブロックサイズそのものが大きくなると、マイニング業者との伝搬で広域なネットワークが必要になるなど、ビットコインキャッシュがトランザクション問題を完全に解決したとは言い難い状況です。
ただし、ブロックサイズを8MBと8倍にすれば、処理できるトランザクションの件数も当然増えるわけですが、前述のような「送金詰まり」という問題はビットコインキャッシュにも起こりえますので、あくまでも理論上はビットコインキャッシュのほうがビットコインよりもトランザクション処理において優位性がある、ということだけ覚えておいてください。
また、ブロックを大きくするのではなく、ブロックに入れるデータサイズを小さくする技術もすでに完成しており、このアルゴリズムは「Segwit2x」と呼ばれます。ただし、そのためには世界中の取引所がSegwit2xに対応しなければなりません。
ところが、現在、取引所は新顧客の獲得や、扱うアルトコインの増大などに追われていて、Segwit2xでビットコインの送受金をしている比率は、2018年3月20日現在、たったの約10%にとどまっています。
https://diamond.jp/articles/-/166275
引用元:http://egg.5ch.net/test/read.cgi/bizplus/1527940411/
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