【衝撃】ネットで彼女募集したら彼女ができたので両親に紹介してみた結果



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嵐とはいつも突然やってくるものである。ゴールデンウィークも差し迫った4月の末、私(中澤)の元に1本の電話がかかってきた。携帯の画面に表示された名前は大阪に住んでいるオカン(お母さん)。

オカンはこう言った。「ゴールデンウィーク東京行くんやけど」と。東京行くんやけど……行くんやけど……くんやけど……だからなんだ!? 一瞬そう思ったが、これは良い機会なので彼女を紹介することにした。

・ネットで彼女を募集

人生で2回しか彼女ができたことがない私は、2018年で36才になる売れないバンドマン。気づけば役満の地雷物件である。もう一生このまま彼女できないんだろうなと覚悟していた。死のうかな

そんな私がネットで彼女募集したところ、髪の毛が貼り付けられたヤヴァイ手紙が送られてきたり、カナダ人相手に失恋したり、すったもんだがありながらも彼女ができたことは以前の記事でお伝えした通り。生きる

・親に彼女を紹介してみよう

このタイミングで親が東京に来るのも何かの縁かもしれない。というわけで、そんな彼女・子安辺美々さん(仮名)を両親に紹介してみることにした。だが、前述のようにほぼ彼女ができたことがないため両親にまともに彼女を紹介したことがない。反応が気になるところだ。

会うのを拒否られたり、グチグチ言われたらどうしよう。そんな想いを抱きつつ電話越しにオカンに伝えてみたところ……

オカン「あら、そう。分かりました」

──と素っ気ない返事。もう36才だし、ちょっとご飯食べるくらいだからこんなもんなんだろうか? 私が「親に彼女を紹介する」ということを重く捉えすぎていただけなのか?

・どこで食べよう

ともかく、そうと決まれば考えなければいけないのが場所だ。集合してから行列に並んだりすると、待っている間の空気が微妙になりそうである。予約するにしても、良い店すぎると「ちょっと夕飯」という気軽な雰囲気じゃなくなりそうだ。

そんな諸々を考えた結果、池袋にある小さい大衆居酒屋『ずぼら』を予約することに。1階はカウンターのみ、2階3階に6畳くらいの和室があるこの店なら、アットホームな雰囲気で夕飯が食べられるだろう。そして、当日

・待ち合わせ

池袋で待ち合わせた私たち。オカンと連絡を取りながら、美々さんと共に待ち合わせ場所に向かう。そんな時、遠くの闇夜に人間サイズの黄色い何かが見えた。ひと際目立っているけどアレなんだろう

近視の私は眼鏡をかけていても夜の見通しが悪い。近づいていくにつれて輪郭がハッキリしてくる黄色い物体。あ、あれはまさか……

オカンだ! オカンは真っ黄色の地に黒いラインのようなチェックが入ったド派手なジャケットを着ていた!! 伊勢丹の紙袋みたいな柄や! めちゃんこ気合い入れてるゥゥゥウウウ!!




オカンがジャケットを着ているのさえほとんど見たことがない私。さらに、そのジャケットが伊勢丹の紙袋みたいだったため、思わず叫び出しそうになったが、そのままリアクションをするとオカンが傷つくかもしれない。何しろ、おそらくこれはオカンの最近の一張羅だ。

に、似合うやん

できるだけ平常心を保ちつつ、伊勢丹の紙袋……いや、オカンと合流。だが、おかしい。そこにはオカンと兄しかいなかったのである。そう、オトン(お父さん)の姿が見当たらないのだ

・後ろから声

オカンいわく、オトンは待ちきれずに私を探しに行った模様。そういうせっかちな部分があるコテコテの大阪人がオトンである。と、その時後ろから突然怒鳴られた。「電話出んかい!」と。明らかにオトンの声だ。「ごめんごめん」と振り返ったところ……

タキシード着てるーーーーーーー!? 生半可なスーツではないピシッと糊の利いたタキシード姿のオトンがそこにいた。冠婚葬祭以外でスーツ着てるの初めて見た。こっちも気合い十分!

・よそ行きの顔

ちなみに、兄は白Tに色あせたGパンだった。そんな謎の集団を引き連れて大衆居酒屋の「ずぼら」へ。和室に落ち着くなり、美々さんにお土産で高級そうな箱菓子を渡すオトン。完全によそ行きの顔である

時間が経つにつれ、お酒も入り夕飯会は飲み会に。仕事について語るオトンに、私の子供の頃のことを語るオカン。興味津々の美々さん。「サンシャイン60~オカンとオトンと時々美々さん~」という感じで会話が進んでいく。もう勘弁してつかあさい……。
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・東京の空

結局、さして気まずくなることもなく、2時間弱くらいで飲み会はお開きに。こうして、人生で初めての親への彼女紹介は幕を閉じたのだった。なんだかドッと疲れた……。

帰り道、星の見えない東京の空。「音楽でプロになる」と半ば強引に上京して10年余り、何度この夜空を見上げため息をついたことだろう。手が届かない遠い星。でも、今は隣を歩く人がいる。握った手は温かく私の手を握り返した。

執筆・イラスト:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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Source: ロケットニュース24






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