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音楽で食べていきたい。そんな想いを胸に上京したあの日から早13年。私(中澤)がミュージシャンとして売れる兆しはゼロだ。ミュージシャンとして1発当てたい。そのためには、待ってるだけではダメだ!
そんな時、アンドリューW.K.が12年振りのニューアルバム発売で来日しているという情報をキャッチした。これはチャンス! インタビューのフリしてイングヴェイを弾いてみよう。ウェルカム・トゥ・ジャパン! バンド入れてくれませんか?
・イングヴェイとアンドリューと私
イングヴェイ・マルムスティーンは1980年代に速弾きギタリストの先駆けとなった人物だ。そのハイスピードかつエモーショナルな速弾きは、現在も多くのギタリストに影響を与え続けている。
一方、アンドリューW.K.と言えば、2000年代のハードロック / パンクサウンドの超新星。っていうか、爆売れした1stアルバム『I Get Wet』は普通に持ってる。当時タワレコで、「なんでこのハードロックに厳しいご時世にこんなサウンドが!?」と衝撃を受けたものだ。
そんなアンドリューが、2018年3月2日にリリースしたフルアルバム『You’re Not Alone』に伴い、フェス「Vans Warped Tour Japan 2018」に出演するために来日しているのだとか。
・電車で向かうイングヴェイ
そこで、インタビューのフリして突撃してみたいと思う。カリフォルニア生まれのパーティー野郎なので、ギタープレイを見たらバンドに誘いたくなるかもしれない。行くぜ!
アンドリューのインタビューが行われるのは、日本の所属レーベル「Hostess」の会議室。西日が射しこむ静かなオフィスには、ピシッと凍ったように静粛な空気が流れている。会議室でしばらく待っていると……
本当にアンドリューがキタァァァアアア! 本物や!! デッケェェェーーーーー!
踊り狂いながら乱入してきそうなイメージがあるが、意外と「スッ……」と静かに入って来るアンドリュー。どうやら、今日は鼻血は出てないようである。とりあえずこちらも危険な奴ではないことをアピールするため名刺を渡してみた。
“これはどうもご丁寧に” 的な感じで頭を下げながら「ありがとうございます」と名刺を受け取るアンドリュー。そんな感じで、インタビューは穏やかに開始。今回のアルバムは前作とどういった点が違うんでしょうか。
アンドリューW.K.「そうだな。基本的には……」
──基本的には?
アンドリューW.K.「違いはない」
──あの、すみません……もう1度いいスか?
アンドリューW.K.「前作と同じだ。テーマはずっとパーティーだ」
──マジか……。「同じ」って言い切っちゃったよ。新アルバム『You’re Not Alone』のリード曲『Ever Again』では、サビで「もう2度と道に迷わない」って高らかに宣言してるけど直線やん。
少なくとも、私はCDをリリースする度に毎回違うことを模索している気がする。むしろ、そういうミュージシャンの方が多いと思うけど、そう考えると男らしさがヤバイ。マジ勉強になるわぁ……。いやはや。
この雰囲気でいきなりギター弾き出せねえよ。
以前の記事で、女優のんさんにイングヴェイした私。だが、今回は世界的ヒットを持つアンドリューW.K.だ。しかも、狭い会議室の中では、有名洋楽ミュージシャンを多数抱えるレーベル「Hostess」の面々も固唾を飲んで見守っている。
ピンと来ない方は、中学校や小学校の時の笛のテストを思い出してほしい。1音目を吹くのは勇気がいったはず。1年でテストは何回もあるのに、最後まであの緊張感に慣れない人がほとんどではないだろうか。
気づけば震える手。ピックを握る指にも力が入らない。ライブハウスとは違う緊張感が再び私の背骨を駆け上がる。怖い……
だが、このまま帰るわけにはいかない。逃げるわけにはいかない! なぜなら、私はギタリストだからだ!! 今こそ轟けハートビート! うなれゴッドフィンガーよ!! オレをバンドに入れてくれェェェエエエ!!!!!
ウマく弾けたかどうかはわからない。ただ、1つ言えることは、演奏中ギターにロン毛が絡んで超邪魔だったこと。イングヴェイはいつもこんな苦労をしているのか。詳細は動画でご確認頂けると幸いである。
ともかく、やるべきことはやった。ハア……とりあえず終わったわ。そんな演奏終了直後の私を「ワオ!」と感嘆の声を上げ拍手で出迎えてくれるアンドリュー。そして、そのままアンドリューが勢いこんで話し出した。何何? どうしたん?
アンドリューW.K.「髪の毛がギターのストリングや指に絡みながらも弾き続けたことに感銘を受けたよ。弾いてくれた曲は知らないんだけど、きみの演奏に感動したし、きみは完璧に弾ききったと思う。僕のバンドのオーディションだけど……」
アンドリューW.K.「きみは合格だ!」
──は? 合格って何の話? ……あっ! バンドか!! 緊張のあまり当初の目的を忘れていた。失敗失敗。
って、ええええええええ!? 衝・撃! 合格しちゃった!! 世界的ミュージシャンのアンドリューW.K.バンドに加入だと!? オーディションに受かったことがないこの私が? マジかよォォォオオオ! ガッツポーズしながら雄叫びをあげている私に、アンドリューが続ける。
アンドリューW.K.「きみが興奮してるところ申し訳ないんだけどバンドにまだ空きがないんだ。だからバンドメンバーの候補者の1人だ。
もし地球上の他のギタリストたちがギターを弾けないような状態にあるなら、きみにお願いするよ。それは何もないよりマシだと思う。きみが望もうが望むまいが、心の中では僕たちのバンドメンバーだ、永遠に」
_人人人人人人人人人人人_
> バンドに空きがない <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
空きがないなら仕方ないスね……
──とは言え、「心の中では永遠にバンドメンバー」って言ってくれてるし、もうメンバーって言ってもいいんじゃないだろうか。ステージには立てないだけで。
アンドリューW.K.「まあ、ちょっと冗談を言ってたんだけど本当に素晴らしい演奏だった。きみをバンド仲間として考えられることは僕たちのバンドにとってラッキーなことだし、バンドに空きがあれば、きみのバンド加入を本気で考えさせてもらうよ」
──インタビューの後、アンドリューW.K.に私がリリースしたCDを渡すと快くもらってくれた。
というわけで、いつ呼ばれても良いようにこれからもギターを練習しようと思う。なんたって私はアンドリューの心のバンドメンバーだからな!
You’re Not Alone、お前は孤独じゃないぜ!! 世界中に呼びかけるアンドリューのメッセージ。言葉を超えて伝わることがあるから、私たちは音楽に賭けたくなるのかもしれない。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
Source: ロケットニュース24
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