ブームすぎて原料不足!ココナッツオイルとショートニングの違いって!?



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最近、ココナッツオイルがブームになっているようですね。ダイエットや癒し、アルツハイマーの予防など、様々な効果がTVや雑誌でよく取り上げられるせいか、主原料になっているオーガニックのココナッツオイルが入手困難になってしまってるようです。そこであるオリジナル化粧品メーカーでは、代わりの原料として”ココナッツショートニング”を使っているところもあるようです。簡単に言えば”加工品”ということでしょうか?

 

通常こだわりのあるお店などではオーガニックのココナッツオイルを原料としますが、去年の夏ごろから入手困難になり、それに代わるものを検討した結果「オーガニックのショートニング(トランスフリー・遺伝子組み換えフリー)」なら入手可能とのことで、0-1テストした結果も問題なかったそうです。しかし”寒くなる”とクレームが入ってくるそうですが、利点・欠点を確認してみましょう。

ココナッツオイルとショートニングの違い

ココナッツオイルとショートニングの違いは、ココナッツオイルに自然な形で水素添加して、不飽和脂肪酸(常温で液体)を飽和化(常温で固体)させたものです。ココナッツオイルは植物油の中では飽和脂肪酸が多く、常温で固体になりやすい油です(飽和91.2%、不飽和 8.8%・融点 25.6℃)

 

ほとんどの植物油は常温では液体状ですが暑い南方の油(ココナッツオイルやパーム油)は、植物油でも例外的に固体になる事が多いのです。つまり植物油、動物油に関係なく、飽和脂肪酸が多いと常温で個体になり易く、不飽和脂肪酸が多いと液体になり易いのです。飽和脂肪酸は融点が高く不飽和脂肪酸は融点が低いからです。(融点=固体が液体になる温度)

 

季節によって代わります

融点26.5℃と言うのは夏は液体状になり、春・夏は固体(適度なクリーム状)になり、冬は硬めのクリーム状になります。残り9パーセントのわずかな不飽和脂肪酸を自然な形で水素添加して飽和化させると融点は38℃くらいになり、夏は柔らかいクリーム状になり、春 ・ 夏は、適度なクリーム状になり冬は硬いクリーム状になります。

 

ココナッツオイルの時は、冬でも指や肌につけるとスグ融けたのですが、ショートニングになるとスグに融けなくなるようです。融点が高いのですから無理もありませんね。でも、製品によっては、ショートニングだけで出来ているわけではないものもあり、色んな原材料が複雑に組み合わさっていますから、ショートニング本来の融点(38℃)より低い製品もあるようです。

 

一つの問題が解決すれば逆の問題が……

ココナッツオイルの時には夏に液体状になって困るということが、ショートニングになってその問題は解決されました。しかし今度は冬に硬くなって使いづらいという問題が出て来ました。

 

その代わり100パーセント天然自然の原材料で出来ているものでも、防腐剤がなくても夏でも冷蔵庫保存しなくてもよほどの事がないかぎり酸化したり腐敗したりしませんし、肌につけた後も何日も酸化したり変質したりする事はありません。多分、肌に同化してしまうせいではないかと考えています(科学的根拠はありません。使った時の実感です)




 

元々、飽和脂肪酸主体のココナッツオイル

ココナッツ油(ココヤシ油)の脂肪酸は91.2パーセントはすでに飽和化されていますから、残り 8.8パーセントをトランス酸が生じないように還元雰囲気の環境の中でゆっくりと自然に飽和化させれば良いわけです。同じ南方の油でもココナッツ油とパーム油(アブラヤシ油)は、脂肪酸組成が多少違う所があり、パーム油の飽和脂肪酸は、50.6パーセントくらいなので、やはり0-1テストの選択は正しかったと思います。とは言え、ココナッツオイルをそのまま使った方がより自然なわけで、早くブームが終わらないかな~~と思っているわけです(笑)



10年以上も前から使われていたパンのショートニング

ココナッツオイルのショートニングは融点が高く、ココナッツオイルやバターよりも酸化しにくいし0-1テストでも良いと出るので、パン類にはココナッツオイル由来のショートニングを10年以上も前から使っているお店もあるそうです。

 

また、ココナッツオイルの飽和脂肪酸は短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸が多く構造が単純なので体内に入って分解され易く、エネルギー化しやすいという特徴があります。ダイエットにいいというので今、ココナッツオイルがブレークしている大きな原因にもなっているようです。

 

植物は環境に適応する

ココナッツは暑い南方の国でしか育たない植物で、高い気温と強い紫外線に耐えられるように適応した植物なのです。またいつも暑いので、寒さが来た時の為に複雑で分解しにくい長鎖の脂肪酸を作る必要も無いのです。そんな植物ですから寒い冬にはココナッツオイルで料理する必要も無いのでは……と思うわけです。ダイエットしたい方も偏り過ぎて健康を壊さない程度にして下さい。

 

人体の脂肪酸組成に一番近いのは”豚脂”

単品で人体の脂肪酸組成に一番近いのは豚の脂ですが、オレイン酸が少し多すぎるので魚油やヘンプオイル・バター等と組み合わせていけば、かなりバランスよくなると思います。脂肪の燃焼を良くするといえばバターは短鎖脂肪酸が多くバランスも良いので、ココナッツオイルよりさらに優秀だと思います。

 

油は単なるカロリー源ではありません

ただ、油は単なるカロリー源や体脂肪の原材料ではありません。燃え易ければ良いと言うだけのものではないのです。構造の複雑な燃えにくい脂肪酸は生理活性物質として神経系やホルモン系、免疫系とも深くかかわり、特にアルファーリノレン酸系の油やコレステロールは脳神経系の働きや構造を決定する重要な脂肪酸なのです。あらゆる種類の油をバランスよく摂ることが重要なのだと思います。

 

最後に・・・現代人が過剰な油と不足している油

現代では一般的にリノール酸系の植物油(紅花油、ゴマ油、大豆油、サラダ油、綿実油、ひまわり油、グレープシードオイル等)を余りにも多く取り過ぎている人が多いので、逆に動物性の油(バターや豚の油)やアルファーリノレン酸系の油(ヘンプオイル、インカオイル、シソ油、亜麻仁油など)を推奨している専門家も多くいるようです。



Source: GOEMON雑学王






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