【不動産の日】引っ越しの「礼金」って払わないといけないものなの? 不動産屋に聞いてみたらけっこう闇が深かった件



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本日9月23日は「不動産の日」だそうだ。「ふ(2)どう(十)さん(3)」の語呂合わせと、秋は不動産取引が活発であることが理由とのこと。「不動産」と聞くと、最初に連想するのはやはり不動産屋だろう。学生でも社会人でも、きっと多くの人が引っ越しで不動産屋のお世話になったことがあるはずだ。

ところで、引っ越しってのはどうしてあんなにお金がかかるのかね? 特に初期費用。敷金、礼金、保証金、仲介手数料などなど、ドカンとお金が持っていかれてしまう。そしていつも思うのだが、「礼金」って何なんだよ! あれ払う必要あるのかよ!! というわけで、不動産屋にそのへんのことを聞いてみたぞ。

・敷金・礼金

不動産屋の店頭やサイトで物件を見ていると、家賃と一緒に必ず載っているのが「敷金 / 礼金」の有無である。例えば「敷金:2カ月 / 礼金:1カ月」のような形で書いてあることが多い。当たり前のように使われているが、初めて引っ越す人にとっては未知の言葉ではないか。

「敷金」というのは保証金のようなもので、これは後で戻ってくる。というのはなんとなく知っているが、「礼金」は初めて見た時よく意味がわからなかった。なんでお礼の金額をお前が決めとんねんと。それはこっちが決めることじゃないんかいと。

・「礼金」とは何なのか?

ちなみに、先日引っ越しをした編集部・和才の物件は「敷金:1カ月 / 礼金:1カ月」だったそうだ。礼金制度は今もバリバリ現役というわけだな。でもこれ、本当に払う必要はあるのだろうか? 考えれば考えるほどに謎が深まる……。そこで、不動産屋さんに実際に話を聞いてみることにした。

話を聞かせてくれたのは、元・不動産屋のYさんだ。現在は別の仕事をしているが、つい2年前まで不動産屋として活躍していたガチプロである。Yさんに「礼金」について、気になることを怒涛の勢いで聞いてみたぞ。

・不動産屋に聞いてみた

「ぶっちゃけ礼金って何なんですか? 何のためにあるんですか? これ払う必要あるんですか? どうなんですか?」

Yさん「オーケー、一旦落ち着こう。礼金っていうのは、むかし田舎から出てきた人が部屋を借りる際、自発的に大家に渡していたものなんです。『お世話になります』という親御さんの気持ちですね。その風習が今も残っているわけです」

「マジかよ。昔の人め、余計なことしやがって。タイムマシンで過去を改変してやりたくなります」

Yさん「話を進めますよ。例えば、家賃が10万円の物件があったとしますよね。で、礼金が1カ月分の10万円だったとする」

「高けーな礼金」

Yさん「礼金について、不動産屋の建前みたいなものをお教えしましょう。今みたいにお客さんから礼金が高いという意見があったら、不動産屋はこう言うんです。本当なら家賃を11万円にしたいところなんですが、そこを10万円にするかわりに、礼金で調節しているんです、と」




「あ~。なんだかしてやられた感じです。それで実際のところ、礼金を払うことで何かこちらにメリットはあるんですか?」

Yさん「ありません。礼金は物件を貸す側にとっての旨み、ボーナスにすぎませんから。それによって何かが具体的に変わることはないのです」

「グギギ……。そういえば、支払われた礼金って誰のものになるんですか?」

Yさん「基本的には大家に入ります。ただ、このへんはけっこう色々ありまして……。実は、大家は礼金を設定していないケースもあるのです」

「ほう。え? なんて? じゃあどうして礼金があるの?」

Yさん「一部での話ですが、大家が何も言っていないのに、仲介業者(不動産屋)が自分で礼金を設定することがあります。大家側は要求してないわけですから、その際に支払われた礼金は大家ではなく仲介業者に入るのです。『礼金はそっちでやってもいいよ』という感じで、大家と仲介が結びついていることもありますね」

「おお、裏事情っぽいですね……。でもそれは、客側には分かりようがないじゃないですか」

Yさん「はい、暴きようがありません。手段としては、同じ物件を扱っている他社で礼金設定がないかを確認する、くらいでしょうか」

「くそー、礼金払いたくねーよー」

Yさん「ただ、人気物件でない限り、大家に交渉の余地はあります。仲介業者に『大家に相談してもらえませんか?』と聞くのはアリだと思いますよ」

「そうですね。でも、なかなか言いづらいんだよなぁ。礼金とかもう止めてくんねぇかなぁ」

Yさん「個人的にも、ユーザーの得にならない礼金という制度は、本来はなくすべきだと思いますね」

──以上である。話を聞いていて、やはり何も内部事情を知らない借り手は、どうしても立場が下になってしまうということを痛感した。みんながみんな、上手に交渉ができるわけではない。前述の和才も普通に礼金を払ったそうだ。まったく、こんな制度は早々に廃れてほしいものである。あなたはどう思うだろうか?

参照元:今日は何の日
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.


Source: ロケットニュース24






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