【無茶しやがって】タカラトミーアーツが「あずきバー」を削れるようになるまでの軌跡がプロジェクトXなみに激アツい



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井村屋の最終兵器・あずきバー。現在、そんなあずきバー専用のかき氷メーカー『おかしなかき氷 井村屋あずきバー(税抜2800円)』が発売されることが話題となっているが、実は本サイトでは独自の情報網から10日も前にスッパ抜くことに成功している。

そして今回は、タカラトミーが「あずきバー」を削るまでの道のりをお伝えしたい。バネの力が足りない! ハンドルが折れた!! などなど、そのプロジェクトXのような試行錯誤の日々は激アツ! 無茶しやがって……。

・残暑よりも熱い挑戦

サファイヤよりも硬いとされるあずきバーをふわふわのかき氷にしたい! そんな気持ちから、タカラトミーの挑戦は始まった。2016年9月、残暑に負けない熱い闘いの火ぶたが切って落とされたのである。タカラトミーはこう語る。

「安全面やコストなどの点を考慮し、 数ヶ月の構想ののち試作1号機を完成させましたが、 社内の検証でうまく削ることができず、 再度構造から検討し直すことに。

改善点を洗い出し、 何度目かの試作機を作り、 井村屋に持ち込みました。 ところがプレゼンテーションの場で『あずきバー』の固さに途中で試作機が壊れるというアクシデントが発生。その後何度か試作機を持って井村屋の担当者を訪れ、 目の前で『あずきバー』を削ろうとしては失敗する、 ということを繰り返しました」


──ことごとく「あずきバー」の硬さに敗れ去っていく試作機。目の前で自社の商品が完敗する姿を目撃しなければならないタカラトミーの悔しさは想像するに余りある。だがしかし、彼らは6号機目にしてついにあずきバーをかき氷にすることに成功。以下が試行錯誤の道のりである。

・【第1号機】強力バネタイプ

「あずきバー」を2本の強力なバネで固定し、プラスチックの刃で削る仕様。「あずきバー」のセットは2人掛かりでなければできないという難点がありました。始めは削れるものの、途中で押し付けるバネの力が足りなくなるため、半分くらいまでしか削ることができず断念。

・【第2号機】上ハンドルタイプ

ハンドルと連動したギアが、「あずきバー」を下へ押し込む仕様。刃を固定し「あずきバー」自体を回すか、刃そのものを回して削るか、どちらがうまく削れるか悩んだ末、刃を回すギミックを採用しました。

ハンドルが非常に重く、上からハンドルを回すと支柱となっているラックギアがしなるほど力がかかってしまい、井村屋担当者へのプレゼンテーションでもハンドルが折れてしまう事態に。(写真はハンドルが折れてしまっている試作機)その後修理するも「あずきバー」を削る前に試作機が壊れてしまい断念。

・【第3号機】サイドハンドルタイプ

ハンドルを横に付け、「あずきバー」の回転に対する力の負荷を軽減した仕様。「あずきバー」が固いために、2号機以上にハンドルが重く、回し進めることができず断念。

・【第4号機】頑丈&三枚刃タイプ

一度の回転で「あずきバー」をたくさん削れるように刃を3枚に改良。刃を増やしたことがかえって抵抗になってしまい、ハンドルが重く回すことができず断念。




・【第5号機】スティック引き抜きタイプ

「あずきバー」のスティックが削る際の抵抗になっていたため、思い切ってスティックを抜くことを検討。「削るのも難しいのに、スティックを引き抜くなんてもっとハードルが高いのでは?」との声も上がりましたが、スティック引き抜きのための専用パーツの試作製作に取り掛かることに。

同時に、スティックを引き抜いた「あずきバー」を削る仕様の試作機を完成。ハンドルのギア比を変えて5種のサンプルを作成し、程よいバランスを検証。ギア比を1:1.76に決定。これでほぼゴールが見えてきました

・【第6号機】完成品!

最終仕様がまとまってきたので、余分な部分を削減し商品自体をコンパクトにしたり、使いやすさを追求してパーツを調整していきます。「あずきバー」の固さに負けて本体が破損しないよう、ハンドル部分にクラッチも内蔵しました。

さらに、「あずきバー」を最後の最後まで削れるように押さえのパーツを改良。そして、この試作機にスティックを抜いた「あずきバー」をセットし、1本全て削ることに成功しました


──1歩進むごとに次々と立ちはだかる壁。「もうダメだ」と頭を抱えたこともあっただろう。だがしかし、彼らはやり切った。そんなタカラトミーに井村屋からも下記のようなコメントが届いているためご紹介したい。

井村屋担当者「まさか、タカラトミーアーツ様が本当に機械を完成させるとは思っておりませんでした。あずきバーは固さや、粒部分とあん部分の物性の違いもあるので、ただ単に削ろうとしても大変難しいのです。タカラトミーアーツ様が試作機を何度も何度も作って挑戦する姿に、井村屋もドキドキハラハラいたしました

出来上がったかき氷は、ふわっとやわらかく、まず食感に驚き、その後ふんわりとあずきの味わいが広がって、新しい美味しさでした。いつものあずきバーも美味しいけれど、あずきバーかき氷も格別の美味しさですよ!」


──とのこと。なお、この商品は2017年6月29日に発売の予定されるという。

あずきバーという困難に挑戦したタカラトミー。今日の私たちの生活は、そんな彼らの挑戦の上に成り立っていると言っても過言ではない。もし、あなたが壁にぶつかった時は、『おかしなかき氷 井村屋あずきバー』であずきバーを削ってみよう。困難に立ち向かった挑戦者たちが勇気をくれるはずだ。

参照元:タカラトミー
執筆:中澤星児


Source: ロケットニュース24






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