予約した新幹線に乗り遅れたらこうなった / 絶望 → 希望が見える → やっぱり絶望



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最初に言っておくが、以下の内容を読んで驚く人はほぼいないだろう。「指定席予約をした新幹線に乗り遅れたらどうなるのか?」について知っている人にとっては「やっぱり」って感じだろうし、私と同じように知らなかった人でも、「へぇ〜乗り遅れたらそうなっちゃうんだ」って思う程度だと思う。

ただ……私の家族は驚くはずだ。1カ月前、珍しく実家に帰省した息子(私)を京都駅まで送り、「東京で頑張って」的な言葉をかけて別れた直後……! 自分らの息子が速攻でヘマをしたとは、さすがに思っていないだろうから。

というわけで、私事で大変恐縮なのだが、以下は私の家族への報告という形をとりつつ、関西弁でお届けしたい。

・指定席予約をした新幹線に乗り遅れた話(関西弁)

やけに長く感じるエスカレーターを必死で駆け上がって、やっとホームにたどり着いたと思ったらプシューや。自分でも信じられへんけど、そのタイミングで新幹線のドア閉まってん。

反射的に、近くにおった駅員さんの顔見てもうた。「お願い! ドア開けて!!」って目で。ほんなら駅員さんも意図がわかったんやろなぁ。こっちの顔を見ながら、首を横に振ってたわ。

そこで一瞬頭が真っ白になってん。「ちょっと何が起こったかわからへんわ」って感じで……。

・お金は無駄に?

ようやく事態を受け入れると同時に、まず最初に気になったんは「東京帰られへんかったらどうしよ」ってこと。日曜の夕方やから、東京に帰る人で新幹線の予約はいっぱいな気がする。もちろん、買った新幹線のチケットは無駄になるんかどうかもメッチャ気になる。京都〜東京間の指定席チケットで、1万3000円くらい払ったんやで……。

・駅員さんに聞いてみた

「でも、まあ起こったことはしゃーない。とりあえず、駅員さんに話そか」と思って、さっき上がってきたエスカレーターをそのまま降りて行ってん。もしチケットを買い直さなアカンくても、駅員さんと直接交渉したら安くしてもらえるかもしれへんやろ? こういう時は、直接会って話すに限るやん?

せやから窓口みたいなところに行って、駅員さんに「すいませ〜ん。東京までの指定席のチケット買ったんですけど、乗り遅れてしまいまして……」って言ってみたんや。ほんなら、さすがに駅員さんは慣れたもんやな。「どうってことないです」みたいな顔して、こう言わはったわ。

駅員さん 「じゃあ後から来る新幹線の自由席に乗って下さい。次でもその次のでも、後から来る新幹線やったらどれでもいいんで」

──え? それでいいん? 今まで知らんかったけど、乗り遅れたらそんな感じなん? まあ、とりあえず良かった! 東京には帰れる! それにチケットを買い直す必要もない!! 余計な出費はゼロで済んだで……と思ったんやけど!

待て待て!!

ここは京都駅やぞ! ここが新大阪やったら、新大阪発の新幹線もあるから自由席に座れる確率もそこそこ高い気がするけど、京都やったら自由席は埋まってそうやん。東京方面に行く新幹線の場合、新大阪から乗ってきた人がすでに座ってんねんから。ってことは……

東京着くまでずっと立ちっぱ?

2時間以上も?

それはマジでキツイって!

でも……

・乗るしかない

自由席に乗る以外、他に選択肢ある? 乗るしか無いやん! って覚悟を決めて、とりあえず適当な「のぞみ」に乗ったんやけど……案の定、自由席はパンパンや。空いてる席なんて1つもないし、デッキにまで人が溢れとったわ。




・ラストチャンスの地

でも……! まだ希望はある。名古屋や。そこで人が降りるやろから、チャンスが無いこともない。新幹線が名古屋駅に着くと同時に僕がサクっと席に座ったら、被害は最小限に食い止められるし。

そしたら、名古屋から新横浜までのアホみたいに長い期間を立ちっぱなしで過ごさんでいいわけやし。いや、むしろ新横浜まで立ちっぱなしは絶対に避けたいし。

・名古屋に到着

ほんで、ようやく名古屋に着いたら……実際はポツポツって程度しか席を立たへんねん。「うわっ、微妙!」って思ったんやけど、嘆いてる場合やない。

デッキにいる人は、みんな同じこと考えてんねんから。名古屋から新横浜まで立ちっぱなしかどうかを賭けた戦いやねんから。顔には出さへんけど、みんな必死やねんから。

・一瞬で埋まる座席

この戦いでは、デッキにいる人の中でも座席により近いポジションを取った人が圧倒的に有利ってことになる。当たり前やけど、席に近いから。

せやから、名古屋で降りる人が座席を離れると、有利なポジションをキープした人から順番に席をゲットしていった。平静を装ってるけど、座れた人は内心メチャクチャ喜んでるんやろな──とか思ってるうちに……

席が1つ埋まり……

また1つ埋まり……

もう1つ埋まり……

さらにまた埋まり……

そしていよいよ!

自分にも座れるチャンス到来!

いける!

 

まだ席がある!!

と思って進んで行ったら……

反対側のデッキからも人来たーーーーーー!

逆サイドにも狙ってる人おったーーーーー!!

席、取られた……。

そこで回りを見渡したら……

もう、席ない。

お、終わった……!

──その瞬間、僕はいかにも「トイレに行こうとしてるだけです〜」って空気を出しながら歩き続けたんやけど、もしかしたら知らず知らずのうちに泣いていたかもしれへん。絶望感を顔に出したら恥ずかしいと思いながらも、そのまま歩いて逆側のデッキに達したときには膝から崩れ落ちそうになったわ。

というわけで、指定席予約をした新幹線に乗り遅れた結果、京都から新横浜まで立って過ごすという苦しみを味わう羽目になったってことを、この記事で報告しておきます。

ちなみに、なんで新幹線に乗り遅れることになったのかというと、すごいベタやけど原因はトイレ。京都駅の改札内のトイレで5分以上かかってもうてん。なんで5分以上もかかったのかと言うと……これ以上は書かんとくわ。前みたいに「あんた下品なことばっかり書いてるな!」とか言われるのもアレやし。まあまた連絡するわ。じゃあな。

Report・イラスト:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.


Source: ロケットニュース24






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